モジャです。
先日、普連土学園の説明会に行ってきたので、
今回はその話を書こうと思います。
普連土学園は、最寄り駅を「田町駅」とする女子校です。
武蔵小杉、元住吉、日吉近辺にお住まいなら目黒駅にでて、山手線に乗り換えるという流れです。
駅からは近く、徒歩8分ほどです。
学校名の普連土は、キリスト教のフレンド派(キリスト友会とも)に由来します。
キリスト教とキーワードがつくと
宗教色が強い校風かと思われる方もいるかもしれませんが、
フレンド派は自らの宗教を押し付けることをしない考えを持つ一派です。
宗教色が強く出ることはありません。
ただ、フレンド派には、沈黙集会というものがあります。
この集会では、参加者同士での会話を一切排除するのです。
普連土学園でも教育の一環としてこれを取り入れています。
言葉を排除することで普段、何気なく使っている言葉の大切さを知るのだそうです。
ですが、これは宗教的教育というよりは道徳教育の一種と思えます。
宗教を母体とする学校はたくさんありますが、
宗教色を強く出している学校というのは本当に少ないものです。
例えば、男子校である世田谷学園も
曹洞宗を母体とすることから土曜日の早朝座禅がありますが、
これも宗教というよりも精神鍛錬という意味合いが強い気がします。
次に授業や学園生活についてですが、
一学年あたり130人前後と生徒数は少なめです。
そのため、生徒数の多いマンモス校のように、
他に生徒たちに埋もれてしまうことは少ないでしょう。
先生たちの目が届きやすい環境がそこにあります。
そして、少ない生徒数に対して、先生の数は多めです。
そのため、英語、数学は中学1年から毎授業ごとに2人の先生が付き、
クラスで一括に授業を進めるばかりではなく、
なるべく一人ひとりに目を届かせながら習熟度別に授業が進められています。
これは、学校として
生徒一人ひとりが、しっかりと理解する授業を心がけているからです。
高校2年生、3年生と大学受験を視野に入れる必要がある学年になれば、
各生徒の進路別に選択授業になります。
この選択授業は、たとえ希望する生徒の数が2~3名ほどでも開かれるそうです。
高校3年生になれば、時間割を各生徒が進路希望別に授業を組むことが可能になります。
時間割の自由度は、文系、理系、芸術系志望の3つに分けられるほどで、
各生徒の希望を最大限に反映させたいという学園側の熱意が伝わってきます。
希望する授業がない時間帯は自習時間とされ、
図書室などでそれぞれの勉強をすることになります。
生徒たちが自習する様子を見させてもらいましたが、
皆さん、まじめに勉学に取り組んでいました。
そして、入試問題についてです。
少し昔の話から入りますが、
かつて普連土学園の人気はとても高い時代がありました。
鷗友学園と普連土を同時に合格した子が、
鷗友学園ではなく普連土に進学することもあったほどです。
理系に強い学校ということで人気があったのです。
特に数学にこだわりがあり、
そのこだわりは算数の入試試験にも反映されていました。
現在も、独自のスタイルの問題が出題されています。
ですが、このこだわりの算数の試験が独特なため、
塾側が敬遠するようになってしまいます。
そこから、少し人気は落ち込んでしまったのです。
ただ、理系科目への強みは健在で、
数学に関しては手厚い授業体制から言わずもがな、
理科の指導力にも、学校側の自信が見られます。
現在、入学時に約70%の子たちが理科が苦手とアンケートで答えるそうですが、
大学入試時には、理系学部への進学がおよそ半分まで上がるそうです。
多くの理科実験などを通して、面倒見のいい先生に囲まれて理系科目への興味が育った結果でしょう。
試験内容を見れば、
正しい答えを出すという事ではなく、
なぜそうなるのかという途中過程を大事にしています。
この姿勢は、算数の計算問題でも途中式を書かせることからもはっきりしています。
それ以外の科目に関しても
単純に言葉を覚えているだけでなく
問題文の前後を読ませて考えさせるという
論理的思考力を問う構成になっています。
ただ、国語の記述などは不要な部分を書いても減点にしないなど
生徒が考えようとしたことをなるべく評価しようとしてくれます。
覚えるべきことを覚え、
しっかりと問題に向かい続ければ合格が見えてくるはずです。
そして、中学受験で培われた論理的思考力を
学園で過ごす6年間でさらに伸ばそうという思いなのでしょう。
中学受験を終えたとしても
子供たちがそれぞれに明確な将来の目標を持つとは限りませんし、
中高の6年間で目標が変わることもあります。
子供達が成長して自分の将来について真剣に考え始めた時に、
「学校が何を与えてくれるのか」ではなく、
「学校が何をしてくれるのか」という事を重視するなら
候補になる学校ではないでしょうか。